5月19日放送
限界ニュータウンと言われても ~住民自治を生きる人々~

バブル期に京都と大阪の府境の山中に造成されたニュータウン「茨木台」。私有地を無許可で開発した業者はバブル崩壊とともに倒産、住民らは業者が所有していた水道・道路を買い取り自分たちで運営する羽目になった。押し寄せる高齢化と人口減少、そして老朽化するインフラ。「限界ニュータウン」と揶揄する声もある。

ある住民は「ここは独立国みたいなもの」と話す。道路陥没、水道管破裂、土砂崩れ・・トラブルが相次ぐ。普通なら自治体に苦情を言うところだが、住民自ら対処する。しかし、自治会役員らに悲壮感はなく、むしろ逆境を楽しむ心意気さえ感じられる。そうした中、地域の自律性を問われる問題が明るみに出る。自治会が下した厳しい決断に「理想郷」を描こうとしていた私たちの目論見は外れた。しかし、厄介ごとに向き合い、議論を重ねる姿は住民自治を体現するものだった。人口減少時代、郊外の住宅地を舞台に「コミュニティの力」を見つめ直す。

製作:MBS毎日放送
ディレクター:伊佐治整